韓国に比べれば、日本はバリアフリー化が進んでいるが、それでも十分ではない(写真:アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 4月24日付の朝鮮日報に、「障がい者配慮先進国・日本」という興味深いコラムが出た。コラムの冒頭には、「高齢者や障がい者が暮らすには、韓国より日本の方がはるかにいい」と綴られている。

 筆者も同感だ。ではなぜ、韓国人はこのように考えるのだろうか。長年の韓国生活を通じて筆者が感じる日韓の差についてお話ししたいと思う。

 韓国も日本同様、障がい者などに配慮した街づくりが進められている。ただ、駅構内や歩道がバリアフリー化されているかというと、まだまだ設備が乏しいように感じるのが現状だ。

 地下鉄構内から地上に出るために、長く続く階段を登らなければならない場所は多く、健常者であってもうんざりすることがある。韓国の地下鉄駅は、シェルターの役割も兼ね備えているから深い。

 長い階段を避けるためには、エレベーターなどを利用する必要があるが、エレベーターの設置数は限られている。そのために、障がい者や高齢者、ベビーカーを押す親たちはかなりの迂回を強いられてしまう。

 街を歩けば、歩道は舗装が悪くガタガタだ。筆者は今でこそ韓国の街を歩くことに慣れたものの、渡韓当初は躓いて足をくじいたり、すり傷を作ったりすることがしょっちゅうだった。

 この経験から、韓国の街は前を見て歩くより、下を見て歩く必要があることを学んだ。障がい者であれば、なおさら注意が必要だろう。

 余談だが、下を見て歩くことは、舗装で躓くことを防ぐと同時に、ゴミや痰などの汚いモノを踏みつける危険を防ぐ意味もある。