(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
韓国政府は4月25日、新型コロナウイルスの等級を最高段階の1級から、インフルエンザや麻疹、水疱瘡レベルの2級に引き下げた。ウィズコロナの「日常回復」を本格化させる動きで、これから4週間の移行期間に入る。
韓国の2級は、日本でいう「感染症法に基づく分類」の5類相当に該当する。日本でも引き下げが検討されているが、他国に倣う日本のこと、日本が実施するにはまだ時間を要することだろう。
日本よりも一足先に分類を引き下げた韓国は、新型コロナウイルスがエンデミック(風土化)に向かっていると判断した。
保険福祉部の權德喆(クォン・ドクチョル)長官は、4月15日のブリーフィングで、「オミクロン株の登場によって危険度は低くなった反面、小規模な流行は繰り返される可能性が高い」とし、「これを考慮すれば、より日常的な対応する形に防疫と医療対応を転換する必要がある」と、政府の方針転換について説明している。韓国政府はコロナとの共存を選んだということだ。
2級に引き下げられたことによって、韓国では今後、感染時の7日間隔離義務と医療機関への報告義務がなくなる。また、一般医療機関で受診することも可能となった。
インフルエンザ同様、かかりつけの医療機関で受診できるようになったことから、感染者の精神的負担は減少することになるだろう。と同時に、隔離義務がなくなったことから、生活費、有休休暇費、治療費の政府負担は原則終了となった。今後、感染者は個人の費用負担で完治させる必要がある。