ドイツのフードコート。プラスチック製の容器やスプーン、フォークは使用していない(筆者撮影、以下同)

(姫田 小夏:ジャーナリスト)

 4月1日から「プラスチック資源循環促進法」が施行された。企業に対してプラスチック製品使用量の削減義務を課す法律で、小売店で配るスプーンやストロー、ホテルが提供する歯ブラシなど12品目が対象となる。

 プラスチック循環利用協会によれば、2020年の日本の廃プラスチックの排出量は822万トン。政府は使い捨てプラスチックの排出量を2030年までに25%削減する目標を打ち出しているが、目標自体や目標期限、強制力などについて国際機関から「不十分」との指摘も上がっていた。

不便でも文句を言わないドイツ人

 他の先進国はどう取り組んでいるのか。2019年、EU理事会は「特定プラスチック製品の環境負荷低減に関する指令」を策定し、2021年に使い捨てプラスチック製品・容器包装をEUの市場で提供することを禁止した。同年、ドイツでも使い捨てプラスチックの提供が禁止され、プラスチック製の容器やストロー、スプーンなどが一斉に紙製や木製に置き換えられた。

 同年秋、筆者がドイツを訪れた際、滞在中にプラスチック製の容器やスプーン、フォークを使用することは皆無だった。