(霧立 灯:フリーランスライター)
SDGsは、今や国際社会で最も熱心に追求されているグローバルな指標だ。企業は競うようにサステイナブルであること、環境問題に取り組むことを経営方針に取り入れている。
ところが、そんな世界の大きな潮流に逆行するような議論が日本では浮上しているという。小泉進次郎前環境大臣の政策であった「レジ袋有料化」を、大臣交代に伴って白紙に戻そうという動きである。
ウェブニュースのコメント欄に並ぶのは、「レジ袋は全体のプラスチック問題からすれば大した量ではない」「レジ袋はゴミ袋として有効利用している」など、どれも政策の効果を疑問視する批判的な意見ばかり。政策内容の検証を試みるメディアは皆無であるばかりか、ただいたずらに批判を煽るような本質を欠いた記事ばかりが並んでいる。
そこで、本稿では「レジ袋有料化」はプラスチックごみを減らす上で、本当に「無策」だったのかということを検証してみたい。
反対論者の意見の筆頭として、「レジ袋はゴミ袋として再利用している。レジ袋を有料化したらゴミ袋を買わないといけないので、意味がない」というものがある。
まず、そもそも「レジ袋有料化」はプラスチック問題を考える「きっかけ」として導入されたものなので、この批判が的外れな感は否めない。しかし、この政策自体でもプラスチックごみ削減の一定の効果は期待できることが分かっている。