新型コロナウイルスまん延防止等重点措置が解除された東京(2022年3月22日、写真:ロイター/アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 4月3日、日曜日の全国の新型コロナ感染者数は4万7000人を超え、先週より4000人増えた。NHKニュースでは「リバウンド」と言っていたが、まさにその通りである。そもそも第6波は終わっていないということなのだ。

 第6波で最も多かったのは2月1日の10万3453人だった。この時に比べれば半減以下にはなっている。だが第5波のピークだった昨年(2021年)8月20日の2万5975人と比べると2万人以上も多い。

 まん延防止等重点措置の適用は3月21日で終了した。だがこれは感染者数が劇的に減ったからではない。昨年の第5波の収束時には、全国の感染者数は1日当たり2桁台にまで減っていた。だが第6波では、全国で1万人を下回ったことすらない。

 内閣官房がまん延防止等重点措置を終了するに当たって文書を発表している。そこには、「現在、全国的には感染は収束傾向にあり、医療への負荷も明確に低下し、第6波の出口に確実に向かっているところです」と書かれている。これは明確な間違いだった。「収束傾向」でもなければ、「出口に確実に向かっている」わけでもなかったということだ。