北京五輪2022の開会式会場となる国家体育場「鳥の巣」(写真:新華社/アフロ)

 北京冬季オリンピックがいよいよはじまる。

 2月4日に北京市内にある国家体育場、通称「鳥の巣」で開会式が行われて開幕する。ここは2008年の夏のオリンピックでも開閉会式が行われて主会場となったところだ。

前回の五輪当時、イトーヨーカ堂に「ハトのマーク」撤去させた北京市

 この「鳥の巣」から東方に直線距離で800メートルの位置に、日本の流通大手のイトーヨーカ堂の店舗がある。正確には「華堂商場 亜運村(あじあむら)店」といい、2001年12月にオープンしている。

 そこで起きた嘘のような話だが、08年の北京オリンピック開幕の半年以上前から、北京市当局がこの店舗の看板を下ろすように命令していた。イトーヨーカ堂だけに、ハトのマークの巨大な看板が店舗の屋上に燦然と輝いていた。文字通り「鳥の巣」をあしらったメインスタジアムのすぐそばで、巨大なハトが踊っていては洒落にならない。当局からは「美化整備」の名目で取り外しの命令がきたという。オリンピック前の当時の北京を取材していて、同店の責任者から直接聞いた。

 当時は「鳥の巣」も建設途中で、テロを警戒してスタジアムに近づくどころか、遠巻きに車を停めることすら公安(警察)に注意される厳しさだった。