起業、独立、複業など「自分軸」に沿った選択をすることで、より理想にフィットした働き方を手に入れようとした女性たちの連載「INDEPENDENT WOMAN!」。
30歳までに独立すると決めてから約6年、起業と結婚を同時に叶えた28歳。リノベーションの素晴らしさを世に広めるべく奔走する、谷島さんの起業ストーリー後編。
文=小嶋多恵子 写真=小嶋淑子
“団地妻”上等、リノベーションの魅力はここにある
公務員の夫と結婚した谷島さんは、当時、公務員官舎の団地住まい。自宅をリノベーションしたくてたまらなかったが、勝手に手を加えることはできなかった。
「ここをリノベーションしたらすごくオシャレで素敵になるのになと。なんでみんなマンションっていうと新築ばかりに目がいくんだろう?って。それがなんか悔しいんですよね。みんな知らないだけだから、私が教えて回らなくちゃって、勝手に燃えてました(笑)」
起業して手がけたリノベーション第一号は友人宅。業務はリノベーションする過程をホームページに掲載したり、ブログで紹介したりする形からスタート。物件の紹介もした。
「一人でいろんなエリアを歩いて、リノベーションに向いていそうな物件を探して写真を撮っては、紹介していました。お客さんなんていないのにひたすら続けていましたね」
団地の魅力にハマり、「団地マニア」というコンテンツも作った。
「当時団地って金額も安いし、周りからはそんな安い物件ばかり扱ってって言われたりもしました。当時は不動産会社ってどちらかというと男性社会だし、団地の物件ばかり探していたので“団地妻”と揶揄されたりもしましたね(笑)」
しかし次第にホームページやブログを見たお客さんから問い合わせが入るようになる。「この記事を書いたの、あなたなんですね」といわれ、接客に親近感を持たせることもできた。
「お客さんに“団地のリノベーションってすごくいいですよね。応援してます!”と言っていただけて。お客さんと価値観を共有できた時が何よりうれしかったです」