(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)
中国人は日本人と比べ、人と人との距離感が驚くほど近い。
筆者が上海市の地下鉄の駅やスーパーなど公共の場で列に並んでいると、かなり近い距離に人がいることがよくある。気づけば後ろの人が、体が触れるほどの位置に立っているのだ(間を空けて並んでいると、誰かに割り込まれてしまうという事情もある)。
退勤時間を過ぎて間もない時間の会社のエレベーターは、日本の満員電車と同じ。すでにスペースがないほど人が乗っているにもかかわらず、階ごとにさらに複数の人が乗り込んできて、ぎゅうぎゅう詰めになる。日本人なら、相手に触れないように体を縮めるとか、距離が近くなりそうだと体を縮めるなどするだろうが、中国では体を縮めた分のスペースにがんがん人が入り込んでくる。
地下鉄やバスで、隣に座る人との距離も近い。少しでもスペースが空いていると、必ず誰かに「詰めてくれ」と言われ、体がくっつき合う形で座ることになる。
ボディタッチも当たり前
日本で暮らしていると、人との距離感について気にすることはあまりないだろう。ところが中国では、家から一歩外に出ると、いろいろな場所で人との近すぎる距離感を感じることになる。