食料品店の店先でお手伝いをしていた猫です。「インスタント麺の警備は任せてね」と、胸を張っているように見えました。

 野菜の泥を落とし、根っこを切ったり、皮をむいたりと大忙しの八百屋さん。猫はその作業の前に、女主人が座る椅子を温めるというお手伝いをしていました。

 店先にいた猫に招かれて布製品の店に入り、きれいな刺繍が施されたポーチを買いました。

 猫の名前を店主に聞くと、「サンセット」と教えてくれました。「毛並みの色から夕焼けを連想して? それとも夕焼けの中で出会ったから?」。店主は、ニヤニヤしながら想像力が乏しいね、というような顔をしたあと、「素早いからだよ。いまはのんびりとしているけど、子猫のときは動作がとても速かった。日が沈むのと同じくらい、速かったからさ」。

 とても思いつかないかっこいい名前だなと思いました。

 後編では、個人の家から顔をのぞかせた猫たちを紹介します。

※ハノイへの行き方
 成田空港からハノイ国際空港まで、直行便が運行されている。所要時間は、約5時間30分で、運賃は9万円ほど。香港やバンコクでの1回乗り継ぎは、約11時間と直行便の倍かかるが、運賃はおよそ半額で済む。