物価の上昇が続く韓国で、塩の価格高騰が庶民の悩みの種になっている。その理由として、韓国でまことしやかに囁かれているのが、福島第一原発の処理水による海洋汚染だ。処理水の海洋放出によって、韓国沿岸で塩が作れなくなったという。果たして、塩の価格上昇の真相は──。
◎立花志音の過去の原稿は以下をご覧ください。https://jbpress.ismedia.jp/search/author/%E7%AB%8B%E8%8A%B1%20%E5%BF%97%E9%9F%B3
(立花 志音:在韓ライター)
卵から不動産まで韓国の物価上昇が止まらない。昔からこの国の物価上昇率は日本と比べてもとても高く、韓国人の間でも「目を閉じて開けただけで物価が上がる」と冗談で言われているほどだ。
農作物の価格も普段から不安定で、韓国の2大名節である旧正月や旧暦の中秋の前には、野菜や果物、そして卵の値段が天気に関係なく毎年跳ね上がる。
それでも、今年の2.2%という物価上昇率は一般庶民の生活には厳しい。そして、住宅価格の上昇は文在寅政権の一番大きな課題の一つであり、国民の大きな関心ごとである。
2019年11月、文在寅大統領は「我が政府は不動産問題を解決する自信がある」と大風呂敷を広げ、強力な不動産規制政策をかけたが、失敗に終わった。
2年後の今年9月26日、青瓦台スポークスマン、終盤に差し掛かった文在寅政権のこれまでの政策の中で、一番残念なことは不動産問題だったとして、申し開きのしようもないと謝罪した。
初めは住宅価格の上昇に沸いていた人たちも、資産が増えることよりも課税負担の方が大きくなり、住宅所有者の85%が価格上昇を「いやだ」と思っている。
今では20代の68%が「住宅価格はさらに上昇する」と考えている。もう現政権に対し、不動産問題の解決を期待している人は誰もいないようだ。