重症病床を確保し、かつ重症診療の質を維持するため、埼玉県で運用が始まったtele-ICU(遠隔集中治療支援システム)。tele-ICUはどのように運用されているのか? 今後の展望・課題とは? 推進の旗振り役である讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)が詳説する。連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第68回。
今年(2021年)7月、新型コロナウイルス感染症の重症病床を確保し、かつ重症診療の質を維持するため、埼玉県ではtele-ICU(遠隔集中治療支援システム)の運用が始まりました。
tele-ICUとは、複数の病院の集中治療室をインターネットでつなぎ、拠点病院がモニタリングと適切な助言を行うものです(前回参照)。遠隔診療というと、ネットワークを介して医師が患者の診察や投薬を行うものというイメージがあるかもしれませんが、tele-ICUは違います。DtoD(医師/医師間)での重症診療のサポートシステムです。
ネット回線でつながった各病院の診療をサポート
埼玉県でこのtele-ICUのアイデアが登場したのは、昨年でした。