北朝鮮の人口は2500万人だが、兵役による正規軍が119万人いる(提供:KCNA/UPI/アフロ)

 韓国や北朝鮮で生まれた男子は兵役の義務がある。現在、韓国の兵役は18カ月だが、北朝鮮は10年以上の軍服務が義務付けられている。人口2500万人の北朝鮮で、兵役による正規軍は119万人。まさに「兵営国家」といってよい。北朝鮮の兵役制度をみてみよう。

(過去分は以下をご覧ください)
◎「北朝鮮25時」(https://jbpress.ismedia.jp/search?fulltext=%E9%83%AD+%E6%96%87%E5%AE%8C%EF%BC%9A)

(郭 文完:大韓フィルム映画製作社代表)

 北朝鮮の男子は満17歳で軍に入隊する。入隊時期は高校を卒業する3月末だ。北朝鮮の学校は日本と同様に4月1日に始業し、3月末に卒業する。高校卒業を控えた冬休みの12月頃から翌年3月末頃までに、北朝鮮のすべての道、市、郡、地域で毎日、数百人から数千人の卒業予定者が軍に招聘されるのだ。入隊年齢は18歳から1973年10月に17歳に改正された。

 身体検査の合格基準も以前は身長150cm以上、体重48kg以上、視力0.8以上だったが、今は身長148cm、体重43kg、視力0.4が基準である。90年代の「苦難の行軍」で子供の大幅な発育低下がみられたことから1994年に改正された。

 軍服務期間も1958年の内閣決議148号で、陸軍は3年6カ月、海軍と空軍は4年と規定されたが、実際は5〜8年間服務する。1993年、金正日総書記の指示で「10年間服務年限制」が導入された後、1996年の軍服務条例の改正で、男性30歳、女性26歳に延長された。その後、2003年3月の第10期6回最高人民会議で男子は10年、女子は7年に短縮されている。

 服務期間中は、年1回の定期休暇(15日)と本人の結婚や両親の死亡時などの特別休暇(10~15日)、表彰休暇(10~15日)などがあるが、まともには実施されることはない。