2014年8月に広島市安佐北区や安佐南区で局地的豪雨により土砂災害が発生。77人の死者が出た(2014年8月23日撮影、資料写真、写真:ロイター/アフロ)

(山根一眞:ノンフィクション作家)

 東京オリンピックが会期を終えて5日後、8月13日から数日間、日本は線状降水帯による大雨に見舞われ続けた。

 気象庁はこんな発表を続けていた。

・2021年8月13日(金)
 広島県広島市に大雨特別警報
 これまでに経験したことのないような大雨

・2021年8月14日(土)
 佐賀県、長崎県、福岡県、広島県広島市に大雨特別警報
 これまでに経験したことのないような大雨

8月14日の深夜から途切れることなく続いた報道が。広島の危機も繰り返し伝えられていた。(写真・テレビ各局の報道番組画面をもとに構成)

 私はこれまで取材や約1000回におよぶ講演で、全国500を超える市町村を訪ねてきた。そのため、海外も含め今日まで交流を続けてきた方が少なくない。激甚災害地で会い親しくなった被災者も多い。また、山根事務所に「寄宿」していた若いジャーナリストやカメラマン、研究者たちは、後、全国津々浦々で活動を続けている。災害時には彼らが貴重な現地情報を伝えてくれるが、今回、大雨特別警報が出た広島市在住の研究者(匿名希望のため「Aさん」とする)と8月14日午後2時からリモートで大雨について情報交換を行った。