航空自衛隊の「C-2」輸送機(航空自衛隊のサイトより)

 アフガニスタンから米軍が撤退を決めた途端、タリバンがカブールを制圧した。アシュラフ・ガニー大統領は早々に国外脱出し、あっという間に親米政権は崩壊した。

 ジョー・バイデン米国大統領は、「正直、展開は予想以上に早かった」と述べ、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は「この11日間でアフガン軍と政権が崩壊する見通しは、誰も目にしていなかった」と見通しの甘さを吐露した。

 米軍の情勢見積もりの甘さは非難されるべきではあるが、今これを論っている場合ではない。

 空港には国外脱出をしようとする国民で埋まっている。米軍輸送機に取りすがった国民が振り落とされて数人が死亡との痛ましい事故も起きている。

 現在でも「国外退避の対象者、5万人以上」とバイデン大統領は述べる。

 米国政府は8月31日までに、民間人の国外退避を目指すとし、自衛隊派遣の可能性も含め、日本政府に協力を要請したと報道されている。

 オンラインで行われたG7外相会合でも「出国を希望するすべての人の退避を早急に行う」として各国が協力することが合意された。

 日本はG7の国としての責任をどう果たすのか。G7各国は軍用輸送機を派遣するだろう。空港の治安確保が確約できず、民航機の運航は困難だからだ。

 自衛隊は海外で運行できる輸送機として「C-2」、「C-130」、そして政府専用機「B-777」を保有する(U-4もあるが輸送力が小さいので除外)。

 イラク派遣では、C-130を中東に派遣して5年間、任務を遂行した経験もある。