8月1日で軍によるクーデターから半年を迎えたミャンマーで、メディアに対する統制が激しさを増している。
ミン・アウン・フライン国軍司令官率いる軍政が、反軍政の立場で報道・情報発信をする独立系メディアやフリージャーナリスト、SNS上などで活躍するブロガーなどに対する「報道統制」を強化しているのだ。
ミャンマーでの報道活動に必要な取材許可が無効にされたり、記者が警告、脅迫、さらには暴力を受けたりするような強権的弾圧が続いている。それでも「筆を曲げない」場合はメディア関係者を逮捕、収監、訴追といった法的手段で追い込むという激しい弾圧を行うようになっている。
報道関係者、これまでに98人逮捕、うち46人拘束
ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」の調査によると、2月1日のクーデター以降、これまでに軍政によって逮捕された報道関係者は98人で、うち46人が依然として収監されたままだという。
さらに6人はミャンマー刑法505条違反容疑で訴追されている。505条は<軍人や政府職員の動機、規律、健康、行動を妨害し、損害を与え、軍人と政府に対する憎悪、不服従または不誠実を引き起こす全ての試み>を刑罰の対象として規定しているが、これが治安当局によって拡大解釈されて、メディア統制、摘発に頻繁に適用されている。
国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」などによると、特に標的になっているのが独立系メディア「ミャンマー民主の声(DVB)」で、軍による記者の逮捕、訴追、実刑判決が相次いでいるという。
例えば、DVBのカウン・ミャット・フライン記者は、タニンタルビ郡区の自宅で逮捕され、裁判の結果禁固2年の実刑判決を受けた。またミン・ニョ記者はピヤイ郡区で起きた反軍政デモを報道して逮捕され、裁判で禁固3年の判決を受けて服役中だ。
DVBではこのほかにもバゴ郡区のティット・ナイン・ウィン記者が禁固3年の実刑判決を受けている。