2018年4月27日、板門店の軍事境界線を越えて握手を交わす文在寅大統領と金正恩委員長(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使)

 7月27日、韓国と北朝鮮は同時にある発表を行った。朝鮮戦争の休戦協定締結68周年の記念日にあたるこの日に「南北通信連絡線回復」に合意したというのだ。

 韓国と北朝鮮はさっそくその27日のうちに、南北連絡事務所のチャンネルと西海(黄海)地区の軍事通信連絡線での通話を再開。29日には東海(日本海)地区でも連絡線が復旧した。ただし韓国側の報道によれば、艦艇間のホットライン(国際商船共通網=国際VHF)には北朝鮮はまだ応答していないという。

およそ1年ぶりに復活した連絡チャンネル

 北朝鮮は昨年6月9日、「対北朝鮮ビラ散布」を口実として、一方的に直通の連絡窓口を閉鎖し、次いで16日に開城の南北の共同連絡事務所の建物を爆破した。連絡チャンネルの復元はそれ以来だから、13カ月ぶりとなる。

昨年6月16日、北朝鮮は開城になる南北共同連絡事務所を一方的に爆破した。その翌日、韓国・ソウル駅では、連絡事務所爆破を報じるニュース映像に市民が見入っていた(写真:AP/アフロ)

 南北朝鮮の関係は2019年のハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わって以降、悪化の一途をたどってきた。今回の連絡チャンネル回復は果たして南北関係Uターンのきっかけとなるのか、北朝鮮の意図、韓国の対応を中心に分析してみたい。