文在寅政権の媚中路線に辟易とする国民
一つ目は、6月25日に国民日報が実施したオンラインアンケート調査だ。この調査によると、韓国のMZ世代が最も嫌っている国は中国で、51.7%を占めた。中でも、1990年代半ばから2000年代初めに生まれたZ世代は、回答者の60.3%が最も嫌いな国として中国を挙げている。日本が嫌いと答えたMZ世代は31.2%に過ぎない。
二つ目は、週刊誌「時事IN」の世論調査である。5月12日〜17日に全国18歳以上の男女57万人を対象に行われた広範囲なアンケート調査だ。この調査では、中国に対して「非常に否定的」(49.3%)と「やや否定的」(26.6%)が75.9%を占め、中国共産党を否定的に捉える人も81.1%に上っていた。
文在寅大統領は2017年5月の就任後、同年12月に国賓として中国を訪問した。その際に北京大で演説し、「中国は高い峰、韓国は小さな国、中国の『中国夢』と共にいる」と自国を卑下する態度を取った。文政府の露骨な親中政策の幕開けを告げる演説だった。
文在寅政府は、習近平中国国家主席の訪韓に力を入れているが、就任から4年が経過したいまだ実現していない。
与党・共に民主党も、2019年7月に傘下の政策研究所「民主研究院」が北京で中国共産党中央党校と交流協力推進協約を締結した。中央党校は共産党の幹部を養成する機関だ。文在寅政権は歴代政権と比べて、より中国との緊密な関係を維持しようと努めている。
中国に秋波を送るのは政治家も同じだ。
毎年新年になると、与党の主要政治家は先を争って中国共産党機関紙「人民日報」のオンライン情報共有プラットホーム「人民網」に新年の辞を掲載している。 彼らは「タチアハオ(こんにちは)」「シンニエンカイラー(明けましておめでとうございます)」と中国語で挨拶する。
政治家の従属姿勢を見苦しく感じる韓国人は少なくないが、当の与党政治家は意に介さない。事実、6月18日と19日の2日間、韓中経済文化教育協会が済州島で主催した大規模な中国共産党結党100周年記念写真展の際も、与党議員数人が出席し祝賀の映像を送った。
6月21日には、韓国に居住する一部の朝鮮族(中国籍の韓国・朝鮮系民族)の団体が中国共産党結成100周年を記念するイベントを開催した。彼らは「毛沢東ジャケット」と呼ばれるオリーブグリーンの人民軍服を着用し、左腕に赤い腕章、首には赤いマフラーを巻き、「私たちの祖国は中国」と叫んだ。
イベントの様子は「中国同胞TVユーチューブ」で公開されて知れ渡ったが、韓国の永住権を取得し、経済活動や健康保険、多文化政策による福祉などの恩恵を享受しながら、中国共産党に忠誠を誓う朝鮮族の姿に、韓国人は驚きと憤りを露わにした。