来日する外国人技能実習生が増加している。厚生労働省「外国人雇用状況」(今年1月発表)によれば、昨年10月末時点で外国人労働者は172万4328人に上回り、統計を開始した2007年以降、過去最高を記録した。
国別ではベトナム人が最も多く、44万3998人と全体の25.7%を占めている。昨年10月の調査時点で、それまでトップだった中国を抜いている。
ところがそのベトナム人技能実習生の失踪が相次ぎ、社会問題化している。入出国在留管理庁(以下=入管)の統計では2020年の外国人技能実習生の失踪者数は5885人で、そのうちベトナムが3741人と最も多かった。
伝手を辿って逃走したベトナム人技能実習生に接触
関係省庁も、相次ぐベトナム人技能実習生の失踪を放置している訳ではない。技能実習制度を監督する外国人技能実習機構は今年6月18日、「送り出し機関」と呼ばれるベトナムの人材派遣会社4社からの新規受け入れの停止を発表したのだった。
受け入れ停止の理由は、この4社を通じて来日したベトナム人技能実習生の失踪が多かったからだ。
だが、失踪の原因はベトナム側の問題だけなのか。そして、姿を消したベトナム人たちは一体どこへ行ったのか。