東京五輪出場を前にコロナワクチンの接種を受けるバレーボール韓国代表チームの選手(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 韓国で新型コロナの新規感染者数が再び1000人を超え、「コロナ第4波」への危機感が高まっている。頼みの綱のワクチンはいまだ品不足が続いている状況で、このままだと文在寅(ムン・ジェイン)政権の功績の筆頭に挙げられる「K防疫」も、一転して国民的な非難に晒さることになりそうだ。

 ワクチンのあまりの不足ぶりに、いま韓国ではさまざまなハプニングが起こっている。その一つが、9月に行われる大学入学模試を巡る醜悪な争いだ。

大人のエゴで受験生がとばっちり

 韓国では大学受験の成否がその後の人生を大きく左右する。そのため、韓国社会は受験生に対しては特別な配慮をすることで知られている。

 今回のコロナ禍においても韓国の防疫当局は、大学修学能力試験(日本のセンター試験に相当)の受験生にファイザー製ワクチンを優先的に接種するという配慮をみせた。さらに受験生が既卒者の場合には、9月に実施される大学入試模験を申し込んだ者を受験生と見なすとした。これが騒動の発端となった。

 これによって、コロナワクチンを優先接種してもらおうと、受験生でない者までもが9月模試の申請に殺到したのだ。模試の受付は早期終了され、本当に試験を受けなければならない受験生の多数が模試を受けられなくなる事態が発生した。

 模試の申し込み開始の翌日となる6月29日、受験生が利用するインターネットコミュニティは大騒ぎとなった。