ヤンキースとの3連戦で3発

 前回登板の6月30日(同7月1日)・敵地ヤンキース戦で大谷は初回二死しか奪えず7失点KO。偉大なレジェンドの“ゴジラ”松井氏が伝説を築き上げたヤンキースタジアムにおいて「投手」としてはいいところなく終わったが、対照的に「打者」としてモンスタークラスの暴れっぷりを見せつけている。

 敵地でのヤンキース3連戦で28日(同29日)に26号ソロを放ち、翌29日(同30日)には3戦連続となる27号ソロと28号2ランの1試合2本塁打をマーク。CC・サバシア氏やアレックス・ロドリゲス氏ら名だたるヤンキースOBたちも「オオタニは人間ではない」などと評し、爆発的な大谷の打撃は今や古巣の行方以上に興味を注ぐ対象となったようだ。

7月7日(日本時間8日)、レッドソックス戦に2番・DHで出場し、5回に32号ソロホームランを放った大谷を、仲良しのチームメイト、ホセ・イグレシアス内野手がハグで祝福した。大谷はこの1本で、松井秀喜が持っていた日本選手1シーズン最多本塁打記録を更新した(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 このヤンキースタジアムでぶっ放した衝撃の3発は「帝国」と呼ばれるヤンキースの欲望を確かに触発した。ヤンキースが2023年オフにFA(フリーエージェント)権を取得する大谷の獲得へ向けて水面下で早々と動き出し始めているというのである。日本ではヤンキースの大谷への提示条件について、大谷と同僚のマイク・トラウト外野手がエンゼルスと2019年に12年総額4億2650万ドル(約473億円)で契約を更新した当時の北米プロスポーツ史上最高額を上回る、と報じるメディアもあった。

 ちなみにエンゼルスの地元スポーツ専門局「CBSスポーツ」も大谷が契約満了時にFAとなれば各球団で大きな争奪戦となり、条件提示は「最低10年3億ドル(約332億7000万円)を下回ることはない」と予想している。もちろん、大げさな話ではなく今季の大谷の活躍を考えれば十分にあり得る話だ。