近年、韓国でもAI(人工知能)の導入が進んでおり、「10年後にはAIに仕事が奪われる」という論調が少なくない。特に、レジやカウンター、ホテルのフロントといった仕事は、きめ細かな対応が必要という声があるものの、縮小もしくは淘汰されていくという見方が根強い。
韓国のストリートを見ると、10年後と言わず既に始まっているように感じる。
筆者の自宅周辺では、この数カ月で廃業する店舗が目立って増え始めた。廃業した店舗も、カフェ、テイクアウトピザ店、パン屋、イタリアンレストランなど、飲食関連の店舗ばかりだ。その店もそれなりに繁盛していたので、突然の廃業には驚かされた。
先日、東京・新宿駅の大ガード東にあったヤマダ電機「LABI新宿東口館」や吉野家が閉店し、「新宿ユニカビル」のテナントスペースがごっそり空いたというニュースがツイッターで話題になった。韓国でも状況は同じで、ソウルの明洞や釜山の南浦洞(ナンポドン)、西面(ソミョン)といった韓国を代表する繁華街では空き店舗が急増している。
韓国で閉店が相次いでいる背景には、1年以上続く新型コロナの影響はもちろんある。ただ、それ以上に打撃になっているのは、長引く韓国経済の低迷であり、地域内の過当競争、人件費や原材料費の高騰である。
ただ、空き店舗もずっと空きっぱなしというわけではなく、しばらくすると、次のテナントで埋まる。そして、そのテナントを見ると、ある変化に気がつく。新たな店舗の多くが無人店舗だということだ。