支持率低下に悩む文在寅(ムン・ジェイン)政権と与党「共に民主党」が、なりふり構わぬ“政敵追い落とし”に乗り出したのだろうか。
文在寅政権で新設された「高位公職者不正捜査処(公捜処)」が、前検事総長の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏に対する市民団体の告発を受けて、捜査に着手した。野党第一党の「国民の力」は、「大統領選挙を9カ月後に控えて、最有力候補に対する文在寅政権の弾圧が公になった」と強く反発している。
公捜処が槍玉に上げた2つの「疑惑」
公捜処が捜査に着手した尹氏関連事件は合計2件。オプティマスファンド事件に対するずさんな捜査と、韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相の違法政治資金授受事件に関する偽証教唆の監察妨害の疑いだ。
オプティマスファンド事件は、昨年、韓国中を騒がせた金融詐欺事件である。オプティマス資産運用は、政府債券に投資するとして約2900人から1兆2000億ウォン(約1180億円)を集めたが、実際は組織暴力団が運営する不良企業の債券に投資し、5500億ウォンの損失を出した。同年6月に買戻禁止措置が取られ、検察は捜査に突入し、金宰ヒョン(キム・ジェヒョン)代表などの役職員を詐欺・資本市場法上の不正取引などの疑いで起訴した。