総務省が2月27日に発表した1月の全国消費者物価指数で、生鮮食品を除く総合(CPIコア)は前年同月比0.0%になった。筆者が予想していたマイナス転落は先送りになったものの、プラスにならなかったのは2007年9月以来のことである。品目別に見ると、「電気代」「都市ガス代」がコア前年同月比を押し上げる方向に予想通り寄与する一方、「ガソリン」「生鮮食品を除く食料」「被服及び履物」「宿泊料」「灯油」「外国パック旅行」「プロパンガス」などが押し下げ方向に寄与した。

 

 そして、1月の食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(いわゆる欧米型CPIコア)は前年同月比▲0.2%となり、昨年5月以来のマイナスを記録した。商品市況のバブルに左右されて振れが出やすい通常のコアではなく、欧米型コアで見た場合のほうが、いわばベースライン部分の物価動向を把握することが容易である。その数字がマイナスに沈み始めたことの持つ意味合いは大きい。欧米型コアを季節調整済指数で見ると99.1(前月比▲0.2%)で、2007年9月以来の低水準(=過去最低水準)となった。CPIの前年同月比がマイナスに沈み、さらにマイナス幅を夏場にかけて拡大していく流れは、以下のような要因が背景になっている。「複合的なデフレ圧力」が存在していると言えるだろう。