会談を終えて共同記者会見を行う韓国の文在寅大統領と米国のジョセフ・バイデン大統領(2021年5月21日、写真:ロイター/アフロ)

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米国バイデン政権には中国と北朝鮮への具体的な政策や計画がない。米韓首脳会談によってそのことが露呈した――。

 こんな手厳しい批判が、トランプ前政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏によって表明された。

 確かに今回の首脳会談の結果をまとめた米韓共同声明は、北朝鮮の非核化と中国の膨張についてこれまでの一般認識を述べただけで、新たな行動を示す記述はなかった。

分量だけは多かった米韓共同声明

 米国のジョセフ・バイデン大統領と韓国の文在寅大統領は5月21日、ホワイトハウスで会談した。その内容を総括する形で両首脳の共同記者会見が開かれ、米韓共同声明が発表された。