第4波の厳しい状況の中、医師にできることとは? ICUの最前線に立ち続ける讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)が、医療体制の強化に向けて「集中化」の可能性を湘南鎌倉総合病院の小山洋史先生に訊く。連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第50回。
 4都府県の緊急事態宣言が延長され、愛知県、福岡県にも発令されることになりました。この厳しい状況の中で医師にできるのは、目の前の新型コロナウイルス感染症患者の命を救うことと、病床確保など医療体制の強化に協力することだけです。

 私はかねてより、新型コロナ感染症の拡大期に限られたリソースを有効活用するためには、分散型より、専門の病院を作って機能を集中させるほうが合理的、効果的だと訴えてきました(第39回第47回参照)。今回は、神奈川県鎌倉市の湘南鎌倉総合病院で仮設病棟の責任者をされている小山洋史先生に、集中化の実際についてお話を伺います。

小山洋史(こやま・ひろし)氏
救急医・集中治療医。2003年富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。現在湘南鎌倉総合病院集中治療部部長。「神奈川県立臨時の医療施設」の病棟責任者として開設時よりCOVID-19の診療および調整業務に携わる。

ポリシーは「いかなる救急も断らない」

讃井 新型コロナ感染症専用の仮設病棟について、まず概要をお教えください。