(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)
中国公安省は2020年の出生数が1004万人であったと発表した。これは2020年に戸籍登録した人数であり実際の出生数とは異なるが、前年の同じ統計より14.8%減少している。このことから2020年の実際の出生数は1250万人程度と推定される。
中国の2019年の死亡者数は1004万人であったが、最近は高齢化により毎年10万人程度増加していることから、2020年は1014万人前後になると思われる。その結果、2020年の人口増加は236万人と計算される。増加率は0.16%である。
中国にも団塊世代と団塊ジュニア世代が存在する。現在、団塊ジュニアは30~34歳になっており、まさに出産適齢期にある。それにもかかわらず出生数が減少し続けている。彼らより10歳若い世代は団塊ジュニアよりも約40%少ないから、もし出生率が同じで推移するとしても、10年後の出生数は現在より40%減少することになる。