眞子内親王の結婚問題は、婚約を容認された上皇・上皇后、その後に皇位に就かれた天皇・皇后の4方の意を受ける形で宮内庁長官が小室氏側の弁護士と面会し「説明を求めた」とされ、秋篠宮家の問題から皇室全体の問題となってきた。
庶民レベルであれば犬も食わない2人の問題であるが、結婚に寄せる思いは小室氏側以上に眞子さんが強いといわれ、秋篠宮殿下は諾否の関頭に立たれている。
父親としては娘の幸せを考えて容認したくても、皇嗣殿下としては皇室の尊厳や安定にかかわる「国民の理解」が欠かせないという認識から「許されない」との思いを強くされていると聞こえる。
宮家の事情を知る関係者は「皇室内は〝やむを得ず容認″という流れ」に傾いていて、「殿下のような〝強硬派″は旗色が悪い」。
しかし、宮内庁には連日、抗議の声が届いており、「殿下は、むしろ世間が結婚に批判的であることに安堵されている」(「週刊新潮」2021.2.11)と述べる。
国民の総意に基づく天皇
白井聡氏は『国体論』で、戦前までは「天皇の国民」であったが戦後は「国民の天皇」になったという。
天皇は「国の象徴」「国民統合の象徴」であるが、象徴たらしめている「地位」は「主権の存する日本国民の総意に基づく」となっているからである。
天皇を直接支えているのは皇族であるが、眞子様は内親王の身位が示すように皇弟である皇嗣殿下の娘で内廷外皇族である。
世間を敵に回すような言動で国民の反感を買うようなことになれば、皇室制度を維持したいという国民の意志が揺らぎかねない。
憲法でいう「国民の総意」とは、現在の我々だけでなく、過去の日本人とこれから生まれてくる日本人も含むとされる。
現在の我々は言動で意志を示すことができるが、過去の日本人の意思は歴史から読み取るしかないし、未来の人の意思は我々が残す伝統に左右される。
現存する日本人の意思は高々100年くらいのものでしかないが、過去は神話時代も含めると2600年超に及んでおり、この歴史が示す意志は「万世一系」「男系天皇」である。