「オンライン研修」を実施するうえでのポイント・注意点とは

 より効果的に「オンライン研修」を実施するには、幾つかのポイントと注意点が挙げられる。それらを紹介しよう。

【ポイント】
●双方向性のある進行を心がける

「オンライン研修」の効果を高めるには、講師と受講者とのインタラクティブなコミュニケーションが欠かせない。例えば、質疑応答やフィードバックの時間を設けたり、グループでディスカッションを行ったりするのも良い方法だ。

●進行のサポート役をつける
「オンライン研修」を円滑に進めるためにも、システムに精通した人を進行の補助役(オペレーター)として置きたい。研修中に機材のトラブルが起きないとも限らない。そのようなケースにすぐに対処してもらえる体制ができていると、講師も受講者も安心できる。

●顔出し受講にする
 効果の高い「オンライン研修」を実施するなら、基本的に「顔出し」での研修とすることをお勧めしたい。顔を出さなくても受講できるが、顔を出して研修することで緊張感が伝わり、集中力も高まる。また、相手の顔が見えると、グループディスカッションを行った時に臨場感が生まれやすくなる。「部屋の様子が見えるのは困る」という方には、Web会議システムの機能を使って背景をバーチャル設定にすることもできる。その方法を事前に受講者に伝えておくと良い。

●チャットの活用
 チャットの活用も有効だ。チャットとは、インターネットを介してリアルタイムで会話できる仕組みを言う。多くのWeb会議システムには、チャット機能が付いており、映像と並行してチャットで会話ができたり、講師への質問も書き込めたりできる。こうしたやりとりをすることで、受講者の参加意識も高まり、臨場感ある研修が実現される。

●研修後のフォロー
「オンライン研修」も実施したら終わりではない。受講者へのフォローは不可欠となってくる。受講者にアンケートやレポートの提出を依頼したり、後日フィードバックを行ったり、今後の研修の在り方を再検討したりなど、PDCAのサイクルを回していくことを勧めたい。

●日常的な社内コミュニケーションの構築
「オンライン研修」の効果を上げるには、双方向性のコミュニケーションが必要であることは既に述べた通りだ。そのためにも、日頃から年齢や役職に関わらず、誰もが気軽に社内コミュニケーションを図れる環境づくりを行っておくことが重要になってくる。

【注意点】
●ワークショップ形式は不向き

「オンライン研修」は声と顔しか分からないため、名刺交換などのロールプレイングや受講生が何かを共同で作り上げていくワークショップ形式の研修には不向きであると言える。

●受講者同士の交流が少ない
「オンライン研修」は、受講者同士の交流が少なくなる傾向がある。グループワークがなければ、画面越しに独りで受講しているだけになりがちだからだ。それだけに、研修の流れのなかにディスカッションの時間を設けてみたり、主催者側からアイスブレイクを入れてみたりするといった工夫が必要となってくる。

 今回は、「オンライン研修」を成功させるためのコツやポイント、注意点を解説してきた。ニューノーマルな働き方が定着するなか、効果的な人材育成に向けて、「オンライン研修」のポイントやコツをおさえたうえで実践してみてはいかがだろうか。

著者プロフィール

HRプロ編集部

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