今月16日には、ポンペオ前国務長官が米国のニュース番組に出演。このベルリン大会を引き合いに「中国にプロパガンダ上の勝利を許してはならない」として、開催地の変更を訴えている。

 すでに昨年から、世界各地の160以上の人権団体が、IOC(国際オリンピック委員会)に北京開催の見直しを求める共同書簡を送っているとされ、英国、カナダ、オーストラリアでも政治家がボイコットについて言及。

 米国上院では1月22日に、共和党の7議員が開催地変更を求める決議案を提出。

 下院でも2月15日に共和党議員が、IOCが北京に代わる開催地を見つけられないのなら、米国はボイコットするよう求める決議案を提出するなど、開幕まで1年に迫ったこの時期にその流れは加速している。

ジェノサイド指摘される国に選手団送り出すのでは筋通らない

 オリンピックの政治利用と言えば、ベルリン大会だけに限らない。東西冷戦時代には、1980年のモスクワ大会、84年のロサンゼルス大会と、雪解けの効果を期待してあえてIOCが開催地を並べたのだが、79年のソ連のアフガニスタン侵攻を受けて、当時の米国のカーター大統領がモスクワ大会のボイコットを呼びかけ、日本を含む西側諸国がこれに呼応している。その報復に東側諸国はロサンゼルス大会をボイコット。

 ところが、このロサンゼルス大会が初めての商業オリンピックと呼ばれるようになる。それまでは、オリンピックの大型化と共に大きな赤字を生み出し、開催地の負担となっていたものを、この大会からショービジネス化したことで黒字に転換。オリンピックの商業利用がはじまった。延期された東京オリンピックの開催時期を7〜8月からずらせないのも、放送権を持つ大型スポンサーである米国テレビ局の意向であることも、オリンピックがいまやスポンサービジネスとなっていることの証だ。