新型コロナウイルスの感染拡大に伴って2021年に延期された東京オリンピック・パラリンピック。だが、年が明けても新型コロナは猛威を振るっており、東京五輪の再延期や中止を唱える意見が増えている。世論調査を見ても8割が「再延期・中止」。大会組織委員会の森喜朗会長の度重なる失言・放言も、開催ムードに水を差している。
コロナ禍の中、東京五輪を予定通り実施すべきなのか。「戦後」の生き字引であるジャーナリストの田原総一朗氏と、東京都知事として五輪招致に尽力した作家の猪瀬直樹氏による激論の後編。
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※動画チャンネル『田原総一朗×猪瀬直樹の「元気を出せニッポン!チャンネル」(仮)』もあわせてご覧ください。
「オリンピックが始まれば不安なんてみんな忘れるよ」
田原:しかし、オリンピックは反対意見が多い。
猪瀬:つまり、僕が何を言いたいのかというと、問題を解決する提案をして、実際に解決する実行力を積み重ねていけばいいということなんだよ。開催できるためのことを、どんどんやればいいだけのことだよね。緊急事態宣言を延長して、2月末には感染者の数も減るでしょう。その上で開催に向けた努力をすればいいだけだよ。
反対とかできないとか言っている人は不安を煽っているだけなんだよ。でも、そういう人は、オリンピックが始まってテレビを見始めたらすっかり忘れているから。そういう人は気分で言っているだけですから。オリンピックで日本選手が金メダルを取れば、熱狂してすっかり忘れちゃう、というくらいの話なんだよ、本当は。
田原:そうは言っても、国民の80%が中止と再延期だよ。
猪瀬:それがおかしいんだよ。
田原:なんで?
猪瀬:問題を解決して切り抜けていくという考え方ができないとすれば、日本はもうダメだと思う。
田原:僕が猪瀬さんに期待しているのは、そこだよ。日本人は悲観論が多いけど、猪瀬さんはどうすればいいかを考える。