宇宙IoTのビジネスコンテストを契機に

アミュラポのメンバーの小林寧々さん。法政大学理工学部機械工学科4年。(写真提供:アミュラポ)

「星みくじ」の開発は、宇宙規模でIoT(モノのインターネット)活用を想定したビジネスコンテスト「Tokyo Moonshot Challenge」(シスコシステムズと慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科共催)への応募をきっかけとしたもの。プレゼンテーション審査などを経て2020年10月に優秀賞が決まった。

 メイン提案者である同社メンバーの小林寧々さんは、「マイクロツーリズムへの関心が高まる中、密を避けつつ近場でアウトドア観光できるためのツールを実現できたらと取り組んできた。個人消費者向けのサービスである点に新規性を打ち出した」と話す。

アミュラポ代表の田中克明さん。早稲田大学でロボット技術の研究により博士号(工学)取得。2020年3月に同社を創業。(写真提供:アミュラポ)

 今後、シスコ東京本社(東京都港区)内ショーケースでの展示を経て、2021年4月以降にウェブ版のアプリを公開する予定だ。

 収益性の確保が課題となりそうだが、代表の田中克明さんは、「将来的には、おすすめ穴場の周辺にある飲食店やホテルなども案内して売上マージンを得たり、このコンテンツを駆使したツアーパッケージを開発するなどして、収益化をめざしたい」と話す。

NTT東日本が地域活性化へ協業を探る

 アミュラポは「NTT東日本賞」も受賞した。電話やインターネットに次ぐ第三の柱としてデジタル事業に注力するNTT東日本は、アミュラポとの協業の将来性などを期待し、賞の授与を決めた。同社の下條裕之さんは、「エンタメ要素をビジネスに採り入れる発想は私どもには少ない。その補完性を重視した」と話す。

 同社の顧客の大多数は各地の中小企業や個人だ。地域活性化という方向性も、「星みくじ」に見られるアミュラポのローカリティ重視の姿勢と一致した。「センサーなどの虫の目データと人工衛星などの鳥の目データの組み合わせで、豊かな地域社会を実現したい。さまざまな協業の仕方を探っていく」(下條氏)

NTT東日本賞のトロフィーを渡す下條裕之氏(左)。東日本電信電話株式会社(NTT東日本)デジタルデザイン部担当課長。2019年にデジタルデザイン部を発足させ、同年7月よりデジタル技術戦略やデジタル人財育成や、宇宙IoTの推進などを担当。