コロナウイルスのツノツノがワクチン製造に利用されている

 新型コロナウイルスへの最初のワクチンが認可されたので、ちょっと考えてみます。

 もしもあなたの体から突然、ツノやトゲが生えてきたら、どうしましょう?

 すでに「豆まき」も、また例の「恵方巻」の似非伝統も、およそ盛り上がらなかった今年の節分のシーズンは過ぎてしまいましたが・・・。

 江戸時代なら、もしツノが生えた人間が歩いていたら、周囲は豆ならぬ小石などを投げつけて迫害したかもしれません。

 何の話をしているか?

 厚生労働省がスピード承認した「コロナワクチン」の作用機序を分かりやすい例えでお話し、その利点と弱点を考えてみたいと思うのです。

 今回のワクチンは、実はあなたの細胞から新型コロナとおなじ「ツノツノ」「トゲトゲ」を生やす効果を持っているのです。

mRNAワクチンとは何か?

 今回のワクチンは「mRNAワクチン」と呼ばれる抗体療法製剤で、日本語では「トジナメラン:Tozinameran」と名づけられています。

 命名に関する厚労省の発表(https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T210129I0030.pdf)ならびに基本的なデータを、やはり厚労省HPでリンク(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_pfizer.html)しておきましょう。 

 これだけではどうにも分かりにくい。もう少しかみ砕いて、このワクチンが働くメカニズムを考えてみます。

 まず、新型コロナウイルスに限らず「ウイルス」というのは、私たち人間や、ほかの生物の体の中で「殖える」という事実をよく見つめ直してみましょう。

 つまり、私たちの体内の「細胞」一つひとつが、コロナウイルスを生み出している。コロナの故郷は、実は人間の体、人間の細胞であるという事実をよく考えなおす必要があります。