米フェイスブック(FB)は1月29日、広告主向けに「トピック除外機能」を試験導入すると明らかにした。自社広告が好ましくない投稿の前後に表示されてしまうと懸念する声に応えるという。
広告主の懸念や不満を払拭
フェイスブックによると、例えば、玩具メーカーは自社広告を犯罪ドラマ関連のコンテンツと一緒に表示させたくないと考えている。その場合は広告主が除外トピックとして「犯罪と惨事」の項目を選択すればよいという。
また、米CNBCによると、フェイスブックは「ニュースと政治」「社会問題」といった除外項目も用意する。2021年いっぱい、同機能の開発と試験運用、意見募集を行うとしている。当初は一部の広告主を対象に同機能を提供し、順次拡大していくもようだ。
米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、フェイスブックの広告主はこれまで動画内広告に関し、自社の意向を一部反映させることができた。だが、他の利用者の近況などが表示されるニュースフィードの画面では、広告掲出場所を自ら制御することはできなかったという。
ニュースフィード内の広告枠は、年間842億ドル(約8兆8100億円)を稼ぐフェイスブック広告事業の最大かつ最重要の広告媒体であり、広告主の懸念や不満を払拭する必要があったという。
ようやく収束に向かった広告ボイコット
広告主は昨年、フェイスブックが問題のあるコンテンツを放置していたとして、大規模なボイコット運動を展開した。
20年5月下旬に米ミネアポリスで黒人男性が警官に殺害された事件を受け、人種や民族の差別や憎悪を助長する投稿を放置しているとして批判が高まった。最も問題視されたのはトランプ前大統領の投稿に対する対応だった。