(写真:アップルHPより)

 米調査会社のIDCが1月27日に公表したレポートによると、米アップルが2020年10~12月期に世界で出荷したスマートフォンの台数は前年同期比22.2%増の9010万台となり、四半期の台数として過去最高を更新した。

アップルが4分の1占める

 世界スマートフォンメーカー上位5社の同四半期における出荷台数ランキングは上位から、アップル、韓国サムスン電子、中国・小米(シャオミ)、中国OPPO(オッポ)、中国・華為技術(ファーウェイ)の順。アップルは首位の座に返り咲いた。

 同四半期の世界スマホ出荷台数は3億8590万台。アップルはその23.4%と、4分の1近くを占めた。アップルとして初めて高速通信規格「5G」に対応した「iPhone 12」シリーズを市場投入したことが、その要因だという。

 アップルは「12」シリーズを20年10月23日から順次発売した。前年と比べて1カ月以上遅い発売だった。だが、5G対応や、新たに小型「iPhone 12 mini」を加えて製品種を増やしたこと、新デザインを採用したことなどが奏功した。前の四半期にあった買い控えの反動もあり、中国などで需要が急増したという。

華為は5位に転落

 一方、5位に後退した華為技術の台数は前年同期比42.4%減の3230万台。米政府よる同社に対する禁輸措置が響いたという。

 半導体などを供給する米国の部品メーカーは、事実上すべてが米商務省から許可を得ることができなくなった。シンガポールに本部を置く調査会社カナリスのアナリストによると、華為技術製品に対する中国消費者の需要は十分にあったが、同社はそれに応えることができなかったという。

 アップルは中国の高価格帯端末市場で華為技術のシェアを奪ったと、カナリスのアナリストは分析している(ロイターの記事)。