ガラスブロックから内部の光が漏れる夜景もなかなかいい。

 さほどメンテナンスに手をかけられない建物タイプのはずだが、30年近くたった今もあまり汚くない。理にかなったディテールを採用した証しだろう。林は、この交番の設計に当たり、「有名無名を問わず、あらゆる建物の尖った先端の扱いを研究しました」と書いている。

漢字の「入」がモチーフ?

 ところで、インターネットでこの交番について調べていると、「コルビュジエの『ロンシャンの教会』をほうふつとさせる」という意見や、「入りやすい交番を目指して『入』という文字をモチーフにデザインされた」という趣旨の書き込みが見つかり、なるほどと思った。『入』説については、本当かどうか原典をたどれなかったが、もし仮説だとしたらあまりに素晴らしい着眼点で、賞をあげたいくらいだ。

所在地:東京都豊島区西池袋5-1-11

◎本稿は、建築ネットマガジン「BUNGA NET」に掲載された記事を転載したものです。

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