経済も激しく変化しています。例えば賃金ひとつ取ってみても、上海市内での飲食店従業員の募集賃金は、10年前だと約2000元(約3.2万円)程度だったのに対し、最近は6000元(約9.5万円)程度と約3倍も上昇しています(もちろん物価も相応に上昇していますが)。
一方、日本国内ではこの10年間、各種統計を見る限りではアルバイトの時給がそれほど変わっていません。その状況で人手不足が叫ばれているのを見ると、「なんで人が足りないのに時給を引き上げないんだろう?」などと疑問に感じたりします。
こうした賃金の変化はその国全体の経済成長が絡むだけに、もちろんそれだけで「日本は中国に比べ変化が少ない」とは言い切れません。
しかし、商品やサービスとなると話は別です。電気自動車、QRコード決済、教育や動画配信といったオンラインサービスなどに着目すると、その普及度合いはやはり日本よりも中国の方が圧倒的に進んでいます。
こうした現状について、「中国は規制が緩いから」「制度が特別だから」と言い訳をすることも可能かもしれません。しかし上記の分野は、中国のみならず他国と比べても日本では普及が遅れていると言われています。筆者が各種データを見る限り確かに日本の遅れは否めず、今や特別なのはむしろ日本の方となりつつあるのが実状です。
絶対的に不足している日本のベンチャー
ではなぜ、日本で新たな商品やサービスがなかなか普及しないのか。最大の原因は、やはり新興ベンチャー企業が不足していることでしょう。