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(山田 珠世:上海在住コラムニスト)

 上海市政府は11月20日、21日に、市内で新型コロナウイルス感染者計3人を確認したと発表した。上海市では同9日にも感染者1人が確認されている。同市で感染者が確認されたのは4カ月ぶりである。

 上海市に住む筆者は、「ついに来たか」という感じで受け止めた。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の発生以来、上海市はかなり厳格に抑制措置を採り続けてきた。だがここ数カ月はコンビニやスーパーに入店したりバスに乗車したりする際に、マスクをしていない人がいるなど、若干、中だるみ感があったからだ。

 11月に確認されたのはいずれも、海外から持ち込まれたウイルスによる感染でなく、中国国内で感染した「国内症例」だった。

 まず9日に感染が確認されたのは、上海浦東国際空港で荷物搬送の仕事に従事する51歳の男性だった。11月8日に発熱したため病院で検査を受け、9日午前に感染が確認された。上海市政府によると、この男性は、4月8日から浦東空港西区航空会社貨物ターミナル駅で運搬作業に従事し、その間、上海から出たことはない。また発病前の14日間、中・高リスク地域への訪問、新型コロナウイルス感染者との接触、直近3カ月以内の他の医療機関での受診のいずれもなかったという。

 また20日、21日のケースは、ともに同空港の米物流大手UPS貨物中継センター関連の感染者だった。いずれも直近14日間に上海を離れていない完全な「国内症例」だ。