2020年4月27日にここJBpressにおいて、「21世紀型大恐慌の足音が聞こえる」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60311)というコラムを書き、そこから書籍が生まれることとなった。
2020年11月中旬に出版される 『21世紀型大恐慌 「アメリカ型経済システム」が変わるとき』(PHP研究所)である。
本年4月末にコラムを書いてから、ほぼ半年が経過しようとしている今、21世紀型大恐慌が発生する確率は、ますます高まってきた。
具体的な内容に入る前に、まず確認しておきたいことは、私自身が、常に悲観論ばかりを唱えている人間ではないという点である。
あのリーマンショックが2008年9月に起きてからは、世界中で大恐慌が起きるという不安の声が挙がっていた。
しかし私は、『日本「復活」の最終シナリオ 「太陽経済」を主導せよ!!』 を、2009年2月に出版し、その第1章に「戦前型大恐慌が起きない理由」という節を設けて、大恐慌が起きない理由を説明した。
私が説明した理由にほぼ沿って、実際に大恐慌は起きなかった。
それどころか過去リーマンショック以来11年以上にわたって、米国の株式市場は非常に順調に推移し、現在は、史上最高値を更新するというところまで来ている。
その意味において、私が悲観論ばかり唱える悲観論者ではないことを理解いただけると思う。
初めに断っておくが、今回のコラムの内容は序章に過ぎず、21世紀型大恐慌の全貌は、2020年11月中旬に出版される書籍の中に書かれている。
その中には、コロナがもたらす新しい世界システムの全体像まで記載した。
今回のコラムでは、その入口として、21世紀型大恐慌は、なぜ、どのようにして起きるのかという点について、述べていきたい。