この事情は、国会議員の間でも問題視するところで、自殺問題に関する超党派の議員連盟もある。それでもこの傾向は変わらない。

 米国、中国に次ぐ世界第3位の経済大国でありながら、若者にとっては生きづらい国であることを統計が示している。

 相次ぐ芸能人の自殺の年齢層を見ても、この事情に当てはまっている。

 もともとこの国は、同年齢層の自殺者が多いという異様な傾向にあって、それが芸能人の自殺報道の多発で浮き彫りになって来た、と受けとめるべきだ。いまのところ、コロナ・ストレスと自殺を関連づけるものは、なにもない。

 仮に、新型コロナウイルスの影響が出ているのだとすると、来年に報告される自殺者の数は、20代、30代に限らず全体的に増えてくるはずだ。それも「新型コロナ関連死」であって、本来の20代、30代の自殺の多さを解決するものにはならない。

「生きづらさ」を感じた時は

 若者を自殺に追い込むもの。生きづらさ。長年続く傾向とその要因については、社会全体として包括的な議論が必要になってくるだろう。格差社会、貧困もそのひとつかも知れない。

 むしろ、そうした事実と向き合って来なかったこの国の政治のほうが異常と言える。

 ただ、著名人の自殺報道が相次ぐと、そこから連鎖も起きやすい。

 そんな時の為に――。

 置かれた環境の生きづらさから、自殺を考えたとき、この国は若者の自殺が多いこと、そんな客観的な事実から、生きづらいのは自分ばかりではないことを、再認識して欲しい。ひょっとしたら、隣にいる人もいまの生きづらさに、もがき苦しんでいるかも知れない。その可能性の高さは、統計が示す通りだ。だったら、ひとりで思い悩んでいることを、誰かに打ち明けてみる。どうせみんな生きづらいと感じているのだから。そう思いなおすことも、時として重要なことだ。

 そんなことを、一瞬でいいから思い起こして欲しい、と切に願う。

●主な相談窓口
・日本いのちの電話連盟
 ナビダイヤル:0570-783-556(午前10時~午後10時)
 フリーダイヤル:0120-783-556(毎日 16:00 ~21:00 、毎月 10 日は 8:00 から翌 11 日 8:00 まで)