9月5日、バンコクで開かれた反政府抗議集会に参加した高校生たち。三本指のピースサインと手首に撒いた白いリボンは、反政府運動への連帯の証だ(写真:AP/アフロ)

(PanAsiaNews:大塚 智彦)

 タイのバンコクで9月19日に大規模な反政府・民主化要求のデモが予定されている。これに対して、治安当局は各大学に学生の参加中止を求めるなどして警戒を強めており、バンコクに緊張が高まっている。というのも、最近バンコクでは、それまで絶対的タブーだったタイ王室への批判が半ば公然と叫ばれるようになっているからだ。

 そのため今回予定されているデモでも、参加者が「王室の改革」まで言及、要求するかどうか、そしてそうなった場合、治安部隊がどこまで強硬手段を取って対応するかに注目が集まっている。

 加えて現地では、軍部によるクーデターの噂もまことしやかに囁かれており、単なる学生たちの民主化要求デモとは違ったきな臭さが漂い始めているのだ。

 長年にわたる軍政支配が終焉したとはいえ、その軍政の流れを強く残した現政権による“反民主”的政治手法対する不満、そして批判が高まりつつある王室の有り方に「終止符を打つ」ことができるのか、それとも「力による抑えこみ」で民主化、政治改革の声を封じ込めるのか? タイ国民は今固唾を飲みながら19日の日を迎えようとしている。

大学当局はデモを不許可

 19日に大規模集会が予定されているのはバンコク市内中心部にある王宮前広場に隣接する国立タマサート大学のタプラチャーン・キャンパス。全国学生連盟や自由青年グループなどからなる主催者側によると約4万人規模の参加者が見込まれている。

 ところが大学側が「大学のガイドラインに政治的な集会はそぐわない」「大規模集会の警備ができず、安全を保障できない」などの理由で19日の集会を不許可とする決定を下した。

 これに対し主催者側は「これまで通りの集会であり、暴動に発展することはなく、警備は自前でやる」として19日の集会を大学側の許可なしでも強行する姿勢を示している。

 ネット上ではタマサート大学同窓会代表が大学のモットーが「自由・平等・友愛」にあるとして、「大学はこの精神に乗っ取り集会を許可するべきだ」と主張しているといい、大学側の姿勢に対しても賛否両論が渦巻いている。