(澁谷 司:日本戦略研究フォーラム政策提言委員・アジア太平洋交流学会会長)

 よく知られているように、1981年、中国共産党は11期6中全会で、「文化大革命」(1966年~76年。以下「文革」)を総括した。同会議では「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議」が採択され、毛沢東主席が起こした「文革」は「誤り」だった、とはっきり認めた。

 けれども、習近平政権は、「文革」(「文化小革命」「第2文革」)を復活させようとしている。おそらく習主席は自らが毛主席と肩を並べる存在か、それ以上を目指しているのだろう。

 具体的に、次のような事例である。

 第1に、2015年頃から、「文革」時代の「密告」制度が復活した。例えば、生徒・学生が“誤った思想”を持つ教師・教授を当局に「密告」している。