コンビニ売上高は外出自粛の有効な指標

 6月は、緊急事態宣言が全面解除されたことで店舗の営業再開が進み、都道府県境をまたぐ移動も解禁になりました。また、新型コロナウィルスの感染がいったん収束しましたので、消費者の外出自粛が和らぎ、各業態の販売回復、すなわち個人消費の回復につながったとみられます。事実、スーパーや百貨店では、衣料品や化粧品の売上が持ち直していましたので、消費者の外出機会が増えたことを示唆します。コンビニでは、緊急事態宣言時に落ち込んだ都心部の売上が持ち直したようで、こちらもまさに外出自粛が緩和したことを示唆します。

 7月に各業態の売上高が下向きとなったのは、外出自粛の動きが再び強まったためとみられます。スーパーや百貨店では、衣料品や化粧品の売り上げが落ち込んだほか、コンビニ全体の売り上げも落ち込みました。新型コロナウイルスの感染が再拡大した影響や、梅雨が長引いた影響が表れたとみられます。

 外出自粛の度合いは、スーパーやコンビニ、百貨店といった小売動向、すなわち財消費のみならず、外食や観光、レジャーといったサービス消費も左右します。言い換えれば、これら業界統計は、外出自粛の度合いを測る指標になると言えます。特に、都心部への人出に左右されやすいコンビニ売上高の方向感が参考になりそうです。コロナ禍後の個人消費を見極める上で、これら業界統計は単に速報性に優れているのみならず、個人消費全体の方向感を捉える上で重要な指標として注目されます。