「トランプ政権下で、米国はようやく中国共産党の行為が脅威であることに目覚めました」
日本のメディアでは大きく報道されていないが、トランプ政権の国家安全保障担当補佐官ロバート・オブライエン氏が6月24日、アリゾナ州フェニックス市での講演で、冒頭の発言をしたのだ。
これだけでは全体像が明確ではないので補足させていただきたい。
米国は中国と国交正常化を果たした1979年以来、一貫して中国には「関与政策」を採用してきた。
共産党が政権を握っている国ではあるが、米国が他分野にわたって交流を深めれば、中国は世界の中で責任ある国家として、民主化に向かうはずであるとの考え方であったからだ。
だが最近になって、中国が米国の思い描く形で変わるとの期待は妄想にすぎず、むしろ民主国家にとっては脅威でしかないとの見方が台頭してきた。
オブライエン氏は講演でこう述べている。
「中国が経済的に豊かになり、強大な国家になれば、中国共産党は人民の中から生まれる民主化への希求に応えざるを得なくなる。我々はそう信じていた」
「これは米国で広く流布した考え方だが、楽観的過ぎたのかもしれない」
そして中国に対してナイーブでいたことを自省し、「消極的でいた日々はもう終わった」と言明したのだ。