北朝鮮の軍備を旧式と侮れば、韓国にこれらの銅像が建つ日が訪れる可能性も現実味を帯びる

「誰が敵であるのか、韓国国民よ目を覚ませ」

「敵は北だ、韓国軍の軍事力では北朝鮮(以後、北)軍の侵攻を止められない」

 北朝鮮の金正恩氏が実権を継承してから、北軍は急激に変貌してきた。

 北が韓国政府を罵倒し、南北和解を進める象徴である融和の施設を瞬時に跡形もなく破壊した。笑顔で金正恩氏と握手した韓国の文在寅大統領に、罵りながら泥を塗ったのである。

 この背景にあるのは、やらなければならないほど追いつめられているのか、あるいは、北がやっても韓国は報復できないという自信があるのかのどちらかである。

 私は、韓国は報復することができないとみている。その理由は、北軍が韓国軍に奇襲攻撃して勝利できる軍事力と継戦能力を備えつつあるからだ。

 私が気になるのは、軍事力の開発だ。

 核、長中距離弾道ミサイル、特に精密誘導が可能となった短距離弾道ミサイル、超大型ロケット砲、無人自爆攻撃機などの開発成功、さらに、固体燃料を製造する工場建設によるミサイル数・弾薬数の増加が、継戦能力を向上させた。

 これらによって、朝鮮半島における特異な戦争(全縦深同時打撃)構想と軍事力の構築が完成しつつある。

 これらが意味することは、米国を朝鮮半島有事に介入させなければ、南北の戦いでは韓国は勝利できないということだ。