新型コロナウイルス感染症に対する対策は、何と言っても正確なデータをきちんと集めることから始まる

 今回はグローバルに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を、大きな視点で捉えてみましょう。

 これから国際的な社会経済に何が起こるか、大きな構図が浮かび上がってくる視点です。

 最初に、3月中旬から4月中旬にかけての全世界のCOVID-19のデータ(各国政府の発表したデータをただ単に足し合わせただけ)で、感染者数と犠牲者数をみてみましょう。

 実に一直線で、感染者数も犠牲者も伸びているのが観察される・・・ようには思われませんか?

 私も最初、そのように感じました。それは、データ解析の観点からすると、実はとんでもない間違いなのです。

増加の一途を辿るグローバル致死率

 さて、この「感染者数」グラフでは「Cases」と書いてある横軸ですが、これと犠牲者数、縦軸の比、つまりこの「直線」の傾きを考えてみると、「病気に罹った人」分の「犠牲者」数の割合を示します。

 つまり「致死率」に相当しますが、漢字が目にキツいかもしれませんので以下ではカタカナで「リーサリティ(Lethality)」と記すことにします。

 全世界データを見ると、なるほど真っすぐな傾きになっているので、コロナウイルスの「毒性」がこの傾きで評価できる・・・と、考えることができるかもしれません。

 ところが、そうではないのです。