こちらの猫も、様子を見ようと通りに出てきました。水玉くんは、友だちが多いのですね。
気がつけば、ここまでで出会った猫は、みんな白黒です。白黒模様といってもいろいろなパターンがあり、個性的で面白いな、きれいだなと思いました。「この町の猫ちゃんたちは、白黒の色ばかりですか?」と、水玉くんに聞いてみました。
すると、水玉くんはだまってすたすたと歩き出しました。連れていってくれたところは、町の外れにあるキャンプ場でした。
キャンプ場にはトラ模様で少し毛の長いお母さん猫と4匹の子猫たちがいました。「白黒ばかりじゃないよ」ということを見せてくれたんですね。
母猫は、水玉くんに体を寄せて、あいさつしました。でも人にはなついていないようです。キャンプ場の人によると、「この母猫は野性的でまったくなつかないの。子猫にも人は信じてはいけないと教えている様子だし。ごはんをもらいにくるからあげているけどね」とのこと。その人は、事務所裏口に置いてある猫用のお皿にドライフードを入れました。
すると母猫は、用心深くお皿に近づいて、口に含めるだけのドライフードをくわえ、猛ダッシュで離れます。確かに野生的な動きだなと遠くから見ていると、子猫たちのいるところまで行き、ドライフードを子猫に与えました。自分より先に子猫に食べさせるとは、なんて偉いお母さんなのだろうと、感心しました。
怖がらせてはいけないので、さらに離れてそっと見れば、母猫は何度かお皿と子猫のいるところを往復していました。
水玉くんが「ぼくはこのままキャンプ場にいるよ、じゃあね」というので、いっぱい撫でてから別れました。