こんにちは、世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。今回訪れるのは、ポルトガルで最も美しい村の一つとされるモンサラズ(モンサラーシュ)です。“あのCM”のロケ地にもなったので、ご存じの方もいるかもしれません。
前編ではポルトガルの古都エヴォラの街を紹介しました。
ポルトガルの路上でうずくまる猫に声をかけたら
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58538
エヴォラで日向ぼっこをしながらお年寄りと話していたら、「あなたは疲れている。モンサラズへ行くといい」と言われました。そう言われてみれば、疲れているのかもしれない。その村に行けば、何があるというのだろう?
エヴォラからレゲンゴシュ・デ・モンサラズへバスで約50分。そこからタクシーを拾い、モンサラズへと向かいました。15分足らずでした。
途中、車窓から見えたモンサラズの風景です。高台にある村にたどり着けば、想像していたよりもはるかに小さくて、小さな子どもの頃の行動範囲はこんなものではなかったかと思うと、なんだか身近なところのような気がしてきました。
お年寄りの言葉を信じてたどり着いた村は、静寂に包まれ、寂寥感がぐっと押し寄せました。デジャヴという言葉が、体を通り過ぎていきます。もちろん、この村を訪ねるのは初めてのことです。
天気がよくなかったせいか、午後2時ですが、村に人影がありません。こんな風の強い日は、猫は家の中にいるのでしょう。誰かに聞いてみようと思っても、すれ違う人もいません。
断崖の上から遠くを眺めている猫とようやく遭遇しました。