約6割が、在宅勤務制度があっても利用していない実情

 また、勤務先に「在宅勤務制度がある」と回答した人に対して、「実際に、在宅勤務制度を利用しているか」を尋ねた。すると、「常に利用している」と回答した人が10.8%、「時々利用している」が31.4%であったのに対し、「利用したことがない」が57.7%で最多となった。在宅勤務制度があっても利用するには後ろめたさがあるといった利用時のハードルの高さが要因となり、制度が形骸化してしまっていることが推測できる。

会社からの在宅勤務指示は「自然災害発生時」が最多

 続いて、「今までに会社から在宅勤務の指示が出た経験があるか」と質問したところ、30.1%の人が「ある」と回答。一方、「ない」は69.9%という結果だった。

「ある」と回答した人に指示を受けた時の状況を尋ねると、台風や震災などの「自然災害」発生時が最も多く、通勤手段に混乱が生じたときに在宅勤務を対応策とした企業があるようだ。そのほかに、「インフルエンザの流行や新型コロナウイルスなどの感染症対策として」、また「オリンピックを見据えた事前準備のために」という声もあった。

「働き方改革」への取り組みのひとつとして注目が集まっている在宅勤務。しかし、制度として導入している企業はまだ一部にとどまっていることがわかった。新型コロナウイルスといった流行の予測が困難な感染症対策としても、本格的に導入を検討している企業も少なくはないだろう。すでに導入済みの企業においては、制度の存在を社員に周知することや、制度の常態化に努めることが必要となりそうだ。