2017年12月22日、カリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げられたスペースXの通信衛星搭載ロケット(提供:SpaceX/UPI/アフロ)

 米ブルームバーグや米CNBCによると、米アップルは社内で通信衛星技術を開発する秘密の専門チームを組織しているという。

衛星と地上の機器で直接送受信

 航空宇宙や人工衛星、衛星アンテナなどの技術者を十数人雇い、インターネットサービス向けの電波を、通信事業者のネットワークを介すことなく直接、消費者の機器に送信する技術の開発に取り組んでいると関係者は話している。

 5年以内に成果を出すとの目標を掲げているが、今のところ、プロジェクトの明確な方向性や衛星の具体的な運営法は決まっていない。ただ、同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)は、これを優先度の高いプロジェクトと位置付けていると、ブルームバーグは伝えている。

 CNBCによると、アップルのプロジェクトチームには、米グーグルで人工衛星技術開発の責任者だった人物や同じくグーグルで人工衛星運用部門のトップを務めていた人物、そして、無線通信機器開発会社、米エタス・リサーチの創業者などがいるという。

アマゾンの「プロジェクト・カイパー」

 こうした取り組みは、他のテクノロジー企業も積極的に進めており、開発競争が激化している。例えば今年4月、米アマゾン・ドット・コムが「プロジェクト・カイパー」と呼ぶインターネット衛星ネットワークの計画を進めていることが明らかになった。