自衛隊に発足したサイバー防衛隊
田原 さあ、それに対して日本は。
山田 日本は全然ダメですね。今は最大で220人と言っていますけど。
田原 たったそれだけ? じゃあ、その220人はどこの組織にいるの?
山田 自衛隊です。自衛隊の中に、サイバー防衛隊という組織があります。
田原 いつ出来たの。
山田 2014年です。この年にサイバーセキュリティ基本法が成立したのに伴い発足したんです。
政府によるサイバー防衛は長年の懸案でしたが、それがようやく2014年に出来た。ただ、日本で唯一のサイバー部隊が実際にしていることというのは、防衛省と自衛隊のシステムの防衛なんです。
田原 どういうこと?
山田 彼ら自衛隊のサイバー部隊は、日本の原発が外国からのサイバー攻撃を受けて大変なことになったとしても、原発を守ってくれない。彼らは自分たちのシステムしか守らないんです。
田原 自分たちのシステムって?
山田 陸海空の自衛隊の装備品やレーダーなども、今はデジタルで全部つながっています。そこにサイバー攻撃が加えられたら、日本の防衛ができなくなります。だから彼らは、そのシステムを守っている。でもそれだけなんです。
田原 彼らは自衛隊を守るだけで、国を守っていないんだ。
山田 自衛隊と防衛省だけです。それを守るためだけの機能しか与えられていないんです。いまようやく、その守備範囲をもっと広げようという議論を始めようか、という状況になっています。